戦場という、神なき終末世界を作ったのは人間に他ならない。画家の眼は戦争の真実をどのように捉えて表現に結びつけたのか。そしてそれらはなぜ私たちの心を打つのか。絵画、写真、彫刻、慰霊碑など200点超の戦争美術をカラー図版で紹介し、ゴヤやピカソ、フジタらによる名品の意味に迫り、戦争と美術の歴史を一望する。
2023年に文学部で行った講義に基づいているが、学生時代から長年温めてきたテーマで戦後80年に当たる今年に刊行した。古代シュメールからウクライナ戦争まで、5千年にわたる戦争と美術との関係について考察し、とくに日本の太平洋戦争中の戦争記録画を美術史的に位置づけた。内外を問わず、類書がほとんどない分野であり、図版のほとんどをカラーにしたため、気軽に手に取って見ていただければ幸いである。
足球彩票网_手机博彩app研究科?教授 宮下規久朗